神の馬

1992年
その年、日本の競馬界に革命の種が生まれた
全米王者サンデーサイレンスの子供たちはありとあらゆる競争を勝ちまくると1995年に2世代で父を最優秀種牡馬の座につけ、10年以上その座を明け渡していない。その影響力はすさまじく馬産地のパワーバランスと血統の地図を大幅に書き替えて、今では昔の面影もなくなった


1992年
その年、「決して見ることができない」と名づけられる馬がアメリカで生まれた
彼はヨーロッパでその力をたった4回だけ見せてターフを去った。サンデーサイレンスの嵐に勢いを無くしていた静内の生産者たちは彼を救世主と決断し、3000万ドルの値段をつけ日本に招き入れた。しかし4度しか走れなかった彼の子供たちは1度として「神の力」を見せることもなく、彼は9月にイギリスへと買い戻されることになった。その値段は24万ドルだった


1992年
その年、世界中を走り回る馬たちがアイルランドで生まれた
彼らはヨーロッパ各国、北米、ドバイそして日本、世界中のG1レースで戦い続け、勝ち続ける。ただ走り続けることで自分の価値を示した。2年連続で来日した彼らはここでも勝利を収め、確かに日本の競馬界に足跡を残した